はちみつまじりで

気づかない場所で起きている奇跡を なるべく見落とさないようにしていきたい

泣きすぎると声が枯れるのは新生児によくある症状です

声を出して泣いていないのに1日通して泣いていたら声が枯れた。

一日経って、思った以上に落ち着いて事の成り行きを眺めている自分に驚いている。
四月に入って、環境の変化から精神状態が安定しない日々が続いていたのに、ここにきて感情的にならずに淡々と脳内を整理している。
ここまで趣味と自分の間に距離を置いてきたんだなと、冷たい人だなと感じている。


発表前、不安は一ミリもなく「いや、ねーわ」と心の中で否定してから穏やかに過ごしていた
人が情報を信じるプロセスは、「流言(うわさ)が自分の中の想像や根拠と結びついているか」というところから始まる。
私が見てきた彼は7人で夢を叶えることを諦めない人だったから、7人で生きていくことを燃料に呼吸している人だったから、ボロボロになっても身を呈して守ってきたグループだったから、
「ほんとにそうなっちゃうかもしれない」<<<「いや、ない」
と判断した。
新規の中の赤ちゃんみたいな立場なので彼についてはなにも知らないし何も言えない。でも私が信じていた彼は、言葉で、態度で、ここからこの仲間と夢に向かっていくと伝えていると思っていた。


発表から、彼らの心情を読み取ろうと思ったけど、彼らはどこまでもまっすぐで誠実だった。
どの立場から見ても「自分の、自分たちのこれから」を話す内容として嘘も間違いもなかった。だから、悲しくなった。

ダーウィニズム心理学によると「悲しみは、愛の対象の喪失による分岐をした感情」である。そして「泣くという行為は、自分一人では処理できないことが発生したとき仲間を呼び寄せるための信号」である。

彼らが泣いていたのが愛の対象の喪失による分岐をした感情であるとするならば、彼らは愛を手放すことが惜しいのかもしれないと思った。愛と夢、二つを同時に持てなくなった彼は愛を置いて夢を追うことを決断した。
7人で夢を叶えることが彼ら全員の行動原理で、それが愛の示し方だと信じていた。だから一人の夢のためにどんな犠牲を払ってでも7人でいることを選ぶと思っていた。でも、裏切られたとは思っていない。

いつでも彼らは最適の方法、タイミングで最適の道を通ってきた。
だからこの判断も、振り返ったときに「あのときあれがあったから今こうなるんだね」と良い意味で捉えることができるのではないかなと勝手に思っている。
でもそれは7人いたから、7人で悲しみを分かち合って、7人で乗り越えて、7人で強くなって笑い飛ばしてから、それを見ていられるのが楽しみだった。
6人と1人でそれぞれ困難の壁に当たって、それぞれ強くなっていくという未来が来るのが寂しい。どこかで合流してほしい。彼の夢は7人で駆け上がっていくことじゃなかった、と結果として示されているのがつらい。「この景色はね宝物だよ」と愛した景色ではない世界とはどんなところにあるんだろう。

彼は否定しなかった。
アイドルという職業も、事務所も、仲間のことも、自分のことも、逃げるのではなく進むという決断をしたのだなと感じた。
だから私は救われているし、どこかでつらいのかもしれない。

「決めたことだから仕方ない」と「いやだ」はこれからも戦い続けると思う。私も否定したくないし応援するべきだと思うし、どこかで思考を止めているし、難しい。

「人類に悲しみが発達したのは、同胞の援助が得られるから」である。

私は今のみなさんの心理状態と身体の具合を心配している。タイムラインを眺めていて、一気にこんなに崩れるんだと驚くほど抑うつ状態を目の前にして、そんな時に差し出す希望だった彼らのおかげで光が見えなくなっていることを思い出す。

彼らの楽曲に多く出てくる「1人じゃないから」という歌詞に救われてきた。そう歌ってくれた彼1人のおかげで残り6人と多くの乙女が悲しみに暮れているとはなんとも皮肉だが、その中でもかなしいと言えばかなしいねと返ってくる世界であることは希望であると思う。

ファン、メンバーを含め同じ時間軸で全員で「すぐには受け入れられない」という感情を共有できる、今の時間は貴重だ。「きょう辞めます、さようなら」と置いていかれたら感情の処理はもっと難しかったかもしれないけど、彼が残してくれた時間は愛だから、大切に大切に過ごしたいと思う。

みんなで分かち合う喜びを知っているのに、手放すものの大きさを分かっていて、それをすべて1人で背負っていくんだろうか。

旅に出るなら帰ってきてほしい。

1人で羽ばたいていきたい世界はそんなに広いんだろうか。
1人に詰まった可能性が7つ集まるから、どこまでもいけるんだと思っていたなあ。

夢を見たいと思ったことも、6人を連れて行くのが夢を叶えることに繋がらないことも、彼の決断に間違いはないし否定しない。

それでも私は7人の関ジャニ∞が好きでどうしようもないんだと腹の底から叫びたい。


【参考文献】
Hatena Diary「ダーウィニズム心理学 - 言語、感情、意識の謎を解明する」『2011-3-25 Q63 悲しみとは何か』http://d.hatena.ne.jp/akira070524/touch/20110325(閲覧日:2018-4-16)